
犬猫の適正体重って?太りすぎは心臓病や関節トラブルの原因にも。健康を守る体重管理ガイド
ペットを家族に迎えたとき、多くの飼い主が気にするのは「元気に育っているか」「よく食べているか」ということ。でも、意外と見過ごされがちなのが「適正体重を保てているかどうか」という視点です。
体重の増減は、ペットの健康に直接影響します。特に肥満は、心臓や関節、内臓にまで負担をかけるため、適切な体重管理はすべての犬にとって重要なケアのひとつと言えます。
この記事では、ペットの体重管理の基礎知識から、リスク、チェック方法、日々の食事や運動の工夫などをご紹介します。
「適正体重」は個体によって違う:体型で見る健康のバロメーター

例え同じ犬種や猫種でも、体格や骨格はさまざま。「適正体重」は一概に〇〇kgとは言えません。そのため、体重の数値そのものよりも、「自分の愛犬・愛猫に合った適正体重を知ること」が大切です。
動物病院などでよく使われるのが、「ボディコンディションスコア(BCS)」という指標。これは、体の見た目や触った感触から、犬猫の肥満度や痩せすぎ度を9または5段階で評価する方法で、体重管理の目安としてとても役立ちます。
5段階評価の場合は、BCSスコアは3が適正体重とされています。犬のBCS3の状態とは、過剰な脂肪の感覚がなく肋骨に触れることができ、上から見ると肋骨の後ろに腰のくびれが見られる状態です。横から見ると、腹部のつりあがりも確認できます。
猫のBCS3の状態とは、肋骨は見えないが触ることはでき、上から見ると肋骨の後ろにわずかに腰のくびれが見られる状態です。横から見ると、腹部のつりあがりも確認でき、脇腹にはひだが見られます。
肥満がもたらす健康リスクとは?

ペットの肥満は見た目だけの問題ではなく、命に関わる疾患のリスクを高める重大な要因です。特に以下のような疾患が、肥満との関連が深いとされています。
- 心臓病(僧帽弁閉鎖不全症など)
- 関節疾患(膝蓋骨脱臼、関節炎、椎間板ヘルニア)
- 糖尿病や脂肪肝
- 呼吸器のトラブルや睡眠の質の低下
- 皮膚トラブルや被毛のコンディション不良
体が重くなることで内臓にも物理的な圧力がかかり、症状が早く進行したり、慢性化したりすることもあります。
特に小型の犬猫や高齢の場合は、数百グラムの差でも大きな違いになることがあるため、日々の観察と体重管理の意識が非常に大切です。
自宅でできる体型チェックとモニタリング
体重管理といっても、必ずしも毎日体重を測る必要はありません。まずは、目と手で確認できる体型チェックを習慣にしましょう。
チェックポイントの例:
- 上から見たときにウエストのくびれがあるか
- 触ったときに肋骨に軽く触れられるか(脂肪が厚いと触れにくくなる)
- 横から見たときにお腹が引き締まっているか
さらに、週に1〜2回の体重測定を加えることで、変化を早めに把握できます。
食事と運動、日常の習慣でできる体重コントロール

健康的な体重を維持するには、適切な食事の量と質、そして無理のない運動習慣が欠かせません。
食事のポイント
- ライフステージに合ったフードを選ぶ
- 「ご褒美」は食べ物だけでなく、おもちゃや声かけも活用
- 必要に応じて、低脂肪・高たんぱくの療法食を獣医師と相談して導入
運動の工夫
【犬の場合】
- 散歩だけでなく、家の中での軽い遊びや頭を使う知育遊びも運動になる
- 高齢犬や持病のある犬には、関節への負担を減らすサポートグッズ(滑りにくいマットなど)の活用も◎
【猫の場合】
- おもちゃを使った追いかけっこや、猫じゃらし、知育トイなどで狩猟本能を刺激する遊びが運動になる
- 高齢猫や関節に不安のある猫には、滑りにくいマットやステップの段差を減らす工夫を取り入れることで、安全に動ける環境を整えてあげましょう
無理をさせず、毎日できる小さな運動を習慣にすることで、肥満予防だけでなく心の健康(ストレス軽減)にもつながります。
体重管理をサポートするアイテムの活用
当ブログを提供しているPetVoiceでは活動量を始め、健康状態をデータで確認できる犬猫向けの首輪型デバイスを提供しています。日々の健康チェックの一環として活用してみませんか?
PetVoiceを詳しく知りたい方はこちら
健康な体は、毎日のちょっとした気づきから
ペットの体重は、健康のバロメーター。数値の増減だけでなく、行動の変化や体型の違和感に早めに気づくことが、愛犬・愛猫の健康寿命を延ばす第一歩になります。
今日からできる小さな工夫で、愛犬・愛猫ともっと長く、健やかで豊かな時間を重ねていきましょう。
PetVoiceを詳しく知りたい方はこちら
参考文献
• アニコム損保『家庭どうぶつ白書2024』
• 環境省『ボディコンディションスコア(BCS)』