新機能発表会 伊藤先生

PetVoiceでは、2024年11月11日に新機能発表会を行いました。新機能発表会では、新機能のご紹介だけでなく、今後注力していく分野についても発表しました。
この度、PetVoiceは犬猫の安静時心拍数の計測技術の開発に成功しました。この記事では、犬猫の安静時心拍数を飼い主様が把握しておくことの重要性について伊藤文也先生よりお話いただいた内容をご紹介します。

※本記事は伊藤文也先生の講演内容を書き起こしております。

PetVoice新機能「安静時心拍数の計測」

PetVoice COREには高精度な9軸モーションセンサーが搭載されており、非常に微細な動きを捉えることができます。角度で表すと、0.1度の変化を捉えることが可能です。この技術を用いて、頸動脈の拍動による振動の検出に成功し、安静時呼吸数の技術も活用して、今回の新機能(安静時心拍数の計測)リリースに繋がりました。安静時呼吸数を計測する実験では、誤差2回以内が98%という結果もあり、一般向けだけでなく動物病院での入院管理でも高い評価をいただいています。

また今後の展望について、安静時心拍数についても9割程度の精度を見込んでおり、安静時呼吸数と同様に一般向け・動物病院向けの両方で実績を積みたいと考えています。

犬猫の健康管理に重要なTPRとは

犬猫の健康管理、体調の異変に気づくためにはTPRの把握が重要だと言われています。Tは体温、Pは心拍数、Rは呼吸数です。従来からPetVoiceでは推定の直腸温・安静時の呼吸数が計測できます。この度、安静時心拍数の計測が可能になったことで、TPRの全てが計測できるようになりました。

伊藤文也先生のご紹介

伊藤文也先生は、芝アニマルクリニックに勤務しながら、個人ではYouTubeを通して難しい病気のことを飼い主様向けにわかりやすく、ユニークに発信されています。

発表内容

TPRの重要性

ワンちゃんネコちゃんのTPRを測ることは、とてもとても大事なんです。
救急動物病院にワンちゃんネコちゃんが担ぎ込まれてきたら、絶対に体温・心拍数・呼吸数を測ります。測ったうえで、「この子、緊急性が高いから早く検査しようかな」「早く治療してあげないといけないな」「順番なんて飛ばそう!」という判断をしているわけですね。そのくらい、重要な数値ということです。

心拍数を測ることは難しい

家でペットの心拍数を測ったことがある方、どのくらいいますか?「先生、どうやって測ったら良いのですか?ハァハァしているのがそう?どの辺に手を当てれば良いのかな?」という方、多いと思います。心拍数の計測は難しいと思います。実際に診察に来る患者さんでも、ハァハァしている呼吸数の方を心拍数だと勘違いしてしまっている方もとても多いです。本当は測った方が良いのだけど、難しい。これが心拍数です。

健康な犬猫でも心拍数は重要

「健康なワンちゃんネコちゃんでも心拍数は測った方が良いですか?」と聞かれます。測った方が良いんです。例えばネコちゃんが吐いてしまった時、動物病院に連れて行ったほうが良いのか判断に迷うこと、ありますよね?そんな時は心拍数を見てみてください。心拍数の数値がいつもより高い・低いなど異常があれば病院に連れて行ってください。ワンちゃんネコちゃんからは「辛い」「痛い」「早く病院に連れて行って」というサインが出ています。

病気のある犬猫では急変の気づきに

心臓病が悪化したらなんとなくバクバクしそうだな(心拍数に異常が出そうだな)というイメージはありますよね。実は、腎臓病やがんでも心拍数は変動します。腎臓病やがんのネコちゃんはどういう風に弱っていって、亡くなってしまうかご存知ですか?だんだん弱って行って、数値も徐々に高くなって・・・と想像される方が多いのですが、違うんです。ほとんどの子はずっと調子の良い状態が続き、急にストンと悪くなってしまいます。この急に悪くなった時にできるだけ早く、適切に治療してあげることで状態が回復するかもしれない。急に悪くなるタイミングでは、TPRが変動しています。TPRの変動に気づくことができれば、早く治療をすることができます。でも、先ほども述べたように心拍数は計測が難しい。そんな時に、首輪をつけているだけで計測ができるPetVoiceはとても良い商品だと思います。

  • 執筆者

    PetVoiceBlog編集部

    PetVoice編集部は獣医学や動物行動学を学んだスタッフが犬・猫の健康に関する情報をお伝えします。