犬のアレルギー 原因と治療について

犬が痒がっている姿を見て、「アレルギーなのかな?」と不安になったことはありませんか? アレルギーと一口に言っても、様々な症状や原因があります。今回はその中でも代表的な犬の三大アレルギーについて紹介します。

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アレルギーの仕組み

犬には、体外から入ってきた異物を体内から排除しようとする「免疫」という働きが備わっています。ウイルスや細菌など、犬にとって有害となるものが入ってきたときに、免疫は無くてはならない重要な身体の反応です。しかし、その免疫がある特定の物質に対して強く反応してしまったり、異常な反応を示してしまう場合があります。その結果、身体に症状が出てしまうことを「アレルギー反応」と言います。また、アレルギーを引き起こす原因となる物質のことを「アレルゲン」と呼びます。

アトピー性皮膚炎とは

犬のアトピー性皮膚炎は、様々な原因が複雑に影響しあって発症する疾患です。その中でも今回は一般的に言われている原因を三つ紹介します。

    1. 遺伝子的な原因

人では、アトピー性皮膚炎を診断するときにアレルギー疾患を持つ家族がいるかどうかを考慮に入れるなど、遺伝は重要視されています。犬においても、品種によって発症しやすさが変化するため、アトピー性皮膚炎は遺伝的な原因によっても発症すると考えられています。

    1. 皮膚バリア機能の低下

皮膚には、外部の物質から身を守る重要な働きがあります。皮膚の機能が低下すると、微小な粒子などが肌の奥に入り込んでしまいます。このようなことがアトピー性皮膚炎を発症する引き金となると考えられています。

    1. 免疫的な原因

健康な犬には問題ない刺激が、アトピー性皮膚炎を発症する犬では免疫が様々に影響しあい、痒みと認識される場合があります。

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能を高めるためにバランスの整った食事を摂り、スキンケアを行うことが重要です。免疫反応が原因となっている場合は、抗炎症薬を使用したり、免疫調整を行ったりして対処する方法が採られます。
上記の通り、遺伝や体質的な側面が多いアトピー性皮膚炎は、再発することがあります。また、様々な原因が考えられるので、治療もその分だけ変化していきます。まだまだわからないことも多く治療が難しい疾患ですが、原因を取り除けば確実に快方へと向かうので、じっくりと向き合っていきましょう。アレルゲン特異的免疫療法という、体質を改善することで症状の改善を目指す方法もありますが、他の治療法と比較すると高額です。獣医師と相談して、治療を選択しましょう。

食物アレルギーとは

食物アレルギーは、食べ物に含まれるある特定の成分に対して、免疫反応が起きてしまうことで起こるアレルギーです。皮膚に痒みが現れる他に、軟便、下痢、嘔吐などの消化器症状も発症しやすいことが知られています。

食物アレルギーの治療

食物アレルギーは、アレルギーの原因の食材を取り除くことで症状がなくなります。そのため、何がアレルゲンなのかを地道に調べていく検査が治療に繋がります。普段の食事からアレルゲンを特定する検査には、飼い主さんの協力が必要不可欠です。獣医師としっかり話し合って、食物アレルギーの原因となっているものを取り除いてあげましょう。

ノミアレルギーとは

ノミアレルギーは、ノミの唾液がアレルゲンとなって引き起こされる疾患です。ノミは、腰や背中当たりの皮膚に寄生することが多いですが、お腹や会陰部にも見られることもあります。痒みが出ることによって、二次的な病変として脱毛、丘疹、紅斑等の症状が出る場合もあります。
また、ノミアレルギーの特徴である急性湿疹、通称ホットスポットと呼ばれる症状が出ることが多いです。ホットスポットとは、急激な皮膚の激しい炎症と化膿が起こる皮膚炎のことで、じゅくじゅくと赤くただれ、膿が出ることがあります。
一年を通して感染する機会は存在しますが、夏季から初冬にかけて多く見られます。

ノミアレルギーの治療

ノミアレルギーを発症した場合、原因であるノミの駆除が重要です。身体に寄生しているノミを駆除するために駆虫薬を使用することがおすすめです。
ノミの駆虫薬には背中に薬をたらすタイプのスポットオン製剤、経口摂取する駆虫薬の二種類があります。それぞれで薬の性質が異なるので、獣医師と相談して処方してもらいましょう。
しかし、駆虫薬を使用して犬の体表からノミを取り除いただけでは完全とは言えません。ノミは寄生してから1〜2日以内に産卵します。その際に、卵は犬の寝床や散歩道などの生活環境に撒かれることになります。卵は1〜6日で孵化し、幼虫、蛹を経て寄生能力のある成虫になります。これらの生活環境に入り込んだノミを排除するために、徹底的な掃除を行うことが重要です。
上記のノミ駆除をした後も、ノミアレルギーの犬は痒みが持続する場合があります。痒みを和らげる症状には抗炎症薬が有効です。獣医師に相談して適切な薬を処方してもらいましょう。

アレルギーの原因は多岐にわたります。原因や症状によって効果的な治療法が異なるため、不安に感じたら獣医師に相談することをお勧めします。

まとめ

アレルギーはそれぞれで症状が似通っている部分も多く、正確に原因を判断するには検査が必要です。また、皮膚の荒れや痒みはアレルギー症状の特徴的なものの一つですが、ほかの病気が原因の可能性もあります。「引っ掻く」「舐める」「擦る」「噛む」「頭を振る」など、痒みを示すような症状が続く場合は、受診して適切な治療をしてもらいましょう。

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  • 執筆者

    PetVoiceBlog編集部

    PetVoice編集部は獣医学や動物行動学を学んだスタッフが犬・猫の健康に関する情報をお伝えします。