犬の安静時呼吸数を測ってみよう

今日からできる犬の循環器疾患のモニタリング方法の1つに安静時呼吸数というものがあります。安静時呼吸数を測るとどんな事がわかるのでしょうか。一緒に見ていきましょう。

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犬の正常な呼吸数

呼吸数とは1分間の呼吸回数を指します。
犬の正常な呼吸数は大型犬ほど少なく、小型犬になるほど多くなる傾向はありますが、概ね10~30回/分ほどです。子犬では少し多くなります。また、夏場も体温調節のために少し呼吸が早くなりがちです。

犬の呼吸の測り方~安静時呼吸数を測ろう〜

安静時(リラックスしているとき、または睡眠時)の呼吸数を安静時呼吸数といいます。
安静時呼吸数の増加は動物の循環器疾患の悪化に関連していると考えられており、優れたモニタリング項目の1つです。

呼吸数を計測する際は胸の動きで計測する方法とお腹の動きで計測する方法があります。
胸の動きで計測する場合は猫が息を吸うと胸が膨らみ、息を吐くと胸がへこむのでこの一連の動きを1回の呼吸と数えてください。

お腹の動きで計測する場合は息を吸うとお腹がへこみ、息を吐くとお腹が膨らむのでこの一連の動きを1回と数えます。

1分間計測することはなかなか大変であるため、1分間計測することが難しい場合は20秒計測してその数値を3倍するか、30秒計測してその数値を2倍することで1分間の計測値としてください。

犬が心不全に陥った場合、安静時呼吸数の増加が早期に認められます。
そのため、安静時呼吸数を計測することは、心不全を早期に発見するために有用であると考えられています。
安静時呼吸数が40回/分を超えたら、心不全に陥っている、もしくは重篤な呼吸不全に陥いる疾患が隠れている可能性が高いため、すぐに動物病院を受診しましょう。

安静時の見極めが難しい・飼い主が犬に近付くと興奮する

安静時以外の呼吸数は、病気以外の理由での増減が考えられます。そのため「安静時」に呼吸数を測定することが重要になります。

一方で、飼い主が近付くと興奮してしまったり、そもそも安静時の見極めが難しいケースがあります。毎日の記録も大変・面倒という方は、安静時呼吸数を自動かつ高精度で測定してくれるPetVoiceの活用を検討してみるのも良いかもしれません。

この後ご紹介する僧帽弁閉鎖不全症の犬で実際に使用された事例も多く、獣医師が信頼しているデバイスです。

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安静時呼吸数が急に増加したときに考えられる緊急性の高い循環器疾患

安静時呼吸数が増加したときに考えられる緊急性の高い循環器疾患について見ていきましょう。

僧帽弁閉鎖不全症

心不全に陥る原因として一番多い病気は僧帽弁閉鎖不全症です。
この病気は小型犬に多く発生します。
心臓の上下左右4つの部屋のうち、左心房と左心室を仕切る僧帽弁という仕切りがうまく閉じなくなることで、心臓内で血液が逆流し、正常に血液を送り出せなくなってしまう病気です。
心臓は全身に血液を送り出すポンプであると同時に、全身から血液が帰ってくる臓器でもあるため、血液が心臓内で渋滞してしまうと各臓器から心臓に向かって血液が戻ってこられなくなります。
特に呼吸の中心である肺から血液が戻ってこられなくなると、肺が血液の液体成分によって水浸しになってしまう肺水腫を発症し、呼吸困難になり、呼吸数が増加します。
特に初めて心不全を経験した際、症状が激烈に出る場合が多く、心不全発症からいかに早く適切な治療を受けられたかによって助かる可能性が大きく変化します。

拡張型心筋症

僧帽弁閉鎖不全症と異なり、大型犬に発生が多い病気です。
心筋が薄くなってしまうことで収縮がうまくできなくなり、心臓に血液が溜まってしまう病気です。この病気でも、症状が悪化することで心不全に伴う肺水腫が起こります。

心臓タンポナーデ

心臓は心膜という膜に覆われています。この心膜と心臓の間に血液などの液体が溜まることで、心臓の収縮がうまくできなくなり、呼吸数の増加が認められることがあります。
心臓に血液やリンパ液で満たされた腫瘍ができ、その腫瘍から血液やリンパ液が漏れ出すことで起こるケースや、僧帽弁閉鎖不全症によって左心房が急激に大きくなった結果、左心房が破裂してしまい、傷口から出血することで起こるケースなどが考えられます。

まとめ

呼吸は体温、心拍数と同様に体の異常を教えてくれる重要なサインの一つです。特に循環器疾患をもった犬にとって、安静時呼吸数は早く急変に気づくための手がかりになり得ます。

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  • 執筆者

    PetVoiceBlog編集部

    PetVoice編集部は獣医学や動物行動学を学んだスタッフが犬・猫の健康に関する情報をお伝えします。