犬が蛇に噛まれた!どうすればいい?

これからの季節、公園の草むらを散歩したり、アウトドアで河原に犬と出かけたりする飼い主さんも多いと思います。そんな時に気をつけてほしいのが蛇に噛まれること(咬傷事故)です。犬が噛まれた時の症状や対処法について解説します。

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犬の蛇咬傷とは

犬や猫は蛇に噛まれることがあり、噛まれた傷のことを咬傷(こうしょう)といいます。
季節としては、蛇が活発に活動し始める夏から秋にかけて蛇の咬傷は多くなります。

日本で問題となる主な蛇ですが、本州にいる毒蛇には、

    • マムシ
    • ヤマカガシ

が挙げられます。

一方で毒を持たないものではアオダイショウが挙げられます。

犬は初めて見るものに対して、顔を近づけて臭いを嗅いで確認することが多いので、鼻先(頭部や顔面)を茂みの中に突っ込んだときに噛まれることが多いです。
気づかずに踏んづけてしまい前足を噛まれることでの受傷がそれに続きます。

犬が蛇の咬傷により死亡することは非常にまれですが、小型犬や噛まれた部位などによっては死亡する例もあります。

犬が蛇に噛まれた時の症状

犬が蛇に噛まれたら、噛まれた部分の痛みからキャンと鳴いたり、咬まれた部分が足であれば挙げたりします。

毒蛇に噛まれても、毒液を注入されないことがあります。その場合には、症状はほぼ痛みのみです。
毒液を注入された場合は、数十分後にかまれた部分の皮膚や血管が腫れてきて、時間が経過すると範囲が広がったり、内出血が起こったりします。

犬の蛇にかまれたときの症状は以下のようなものが挙げられます。

蛇の咬傷での症状(軽度)

      • 噛まれた場所の痛みによって「キャン」と鳴く
      • 足を挙げる
      • 痛みで元気がなくなる
      • 噛まれた部分がパンパンに腫れる、また徐々に腫れている部分の範囲が広がる
      • 傷口から少量の出血が絶えず出ている
      • 腫れたところの皮膚が赤や紫のあざのようになる(内出血)

通常犬が蛇に噛まれても命に関わる状態に陥ることは少ないですが、稀に重症化する場合があり、その場合以下の症状が現れます。

蛇の咬傷での症状(重症)

      • 筋肉の壊死
      • 尿が赤くなる
      • 発熱
      • 嘔吐・下痢
      • 低血圧によるふらつきや意識障害
      • 血が止まりにくくなる
      • 呼吸困難

日本に生息する蛇の毒は血管・筋肉を溶かす作用や、血液の主成分である赤血球を壊したり、血液が正常に固まりづらくしたりする作用があります。そのため筋肉が壊死します。また、血管がボロボロになることで血圧を保てなくなると、ふらつきや意識障害が起こることもあります。
この他にも血液が正常に固まらなくなった結果、様々な臓器で出血が起こります。
舌を噛まれた場合、舌が腫れて気道を塞いでしまい、呼吸困難に陥る可能性もあります。

蛇と遭遇しやすい場所

蛇は草むらや茂みの中、岩場の隙間や田んぼ、畑のあぜ道などに隠れていることが多いです。
犬はこのような場所に頭を突っ込んで匂いを嗅ぐことが好きなため鼻先や顔面を噛まれる事が多いです。このような場所には犬を近づけない方がいいでしょう。
基本的にはマムシやヤマカガシもこちらが近づかない限り向こうから襲いかかってくることはないため、蛇を見かけたらすぐにその場を立ち去るようにしましょう。

噛まれた時の対処法

蛇に噛まれたら症状の有無や程度に関わらず、犬をできるだけ興奮させないようにしてすぐに動物病院へ受診しましょう。
興奮して心拍数が上がると、毒を注入されていた場合毒の回りが速くなるからです。
人が蛇に噛まれたときの対処でよく言われる「患部を冷やす」「毒を吸い出す」「患部を縛る」などの処置は、動物にも効果的であるという明確な証拠がないだけでなく、余計に悪化させる場合があります。特に毒を吸い出す、患部を洗うことは飼い主さんが毒や蛇が媒介する細菌に接触する危険もあるため絶対にしないでください。

動物病院では基本的には蛇毒を中和するための抗毒素が無く、処置としては蛇の口の中に住んでる細菌に対する抗生物質の投与や噛まれた痛みに対する痛み止め、炎症を抑える抗ヒスタミン薬や抗炎症薬の投与、必要に応じての輸液がほとんどです。
受傷してから時間が経過して症状が出たり、容態が悪化したりすることもあるため診察を受けた後も引き続き注意深く犬を観察し、体調の変化が見られたら再度動物病院を受診するようにしてください。

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まとめ

蛇による咬傷事故は適切に対応すれば軽い症状で済むことがほとんどです。しかし対応が遅れると重篤化する可能性があります。蛇が出やすい茂みや隙間には犬を連れて行かないこと、噛まれたらすぐに動物病院を受診することを覚えておきましょう。

  • 執筆者

    PetVoiceBlog編集部

    PetVoice編集部は獣医学や動物行動学を学んだスタッフが犬・猫の健康に関する情報をお伝えします。