気をつけたい猫の回虫症!その原因と対策は?

猫回虫に感染して症状が重症化すると、全身に広く長期にわたって影響が残る可能性があります。
脳や網膜にまで入り込んでしまう可能性も?! 気になるその原因や対策を詳しく解説します。

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猫回虫とは

回虫とは、線虫というグループに属している寄生虫のことです。様々な動物の消化管に寄生し、感染した動物を利用して成長したり、生殖を行ったりします。猫回虫は世界中に分布しており、日本でも普通にみられる寄生虫です。成虫は3〜10cm程で、肉眼でも見ることができます。また、成熟した成虫は消化管内で卵を産み、その卵が糞便と一緒に排泄されます。排泄されてから2〜4週間前後までは他の動物に感染する力はありません。

猫が猫回虫に感染してしまった場合、無症状のことがほとんどです。幼虫の状態で四肢の筋肉、さらには脳にまで入り込んで休眠する可能性がありますが、深刻な症状に繋がることはほとんどないと言われています。しかし、猫回虫の感染が重くなると、下痢や嘔吐、食欲の低下、体重の減少などの症状が出ることもあります。

特に注意しなければならないのは、子猫への感染です。子猫の症状は、大人の猫よりも症状が重くなりやすい傾向にあり、腹部の膨満や、発育不良、貧血を引き起こすことがあります。重度に感染した場合、最終的にはすべての食物を吐出するようになり、肺炎を併発する可能性があります。また、まだ消化管が細いため猫回虫が詰まってしまい、腸閉塞を起こす危険性もあります。

猫回虫は人に感染することでも知られており、感染した場合は、幼虫移行症と呼ばれる症状を発症することがあります。

では、猫回虫はどのように感染対策をすればいいのでしょうか?

猫回虫に感染する原因

猫回虫は、様々な経路をたどって猫の体内に侵入します。今回は三つの感染経路について紹介します。

経乳感染

特に子猫で注意したい感染経路として、母親の母乳からの感染があります。猫回虫は胎盤を介して感染することはありませんが、感染猫の母乳には通常幼虫が含まれています。幼虫が含まれた母乳を摂取した場合は、そのまま子猫の消化管に到達して成長することが知られています。

感染した生き物を食べることによっての感染

猫回虫は猫以外にも様々な生き物に感染します。例えば、ネズミなどのげっ歯類、ミミズ、ゴキブリ、ニワトリ、ひつじなど、その他多くの動物の体内に猫回虫が存在している可能性があります。
上記に挙げた生き物たちに猫回虫が感染しても、猫の体内と環境が異なるため卵を産むことはありません。しかし、猫が猫回虫に感染した生き物を生で食べた場合には、猫回虫が猫の体内に入り込み感染してしまいます。

成熟した卵の経口感染

猫回虫に感染した猫の糞便内には、卵が混じっています。その糞便に汚染された環境に猫がさらされる場合、偶発的に猫回虫の卵を摂取してしまい感染する可能性が考えられます。

今からできる! 猫回虫への感染対策

猫回虫は、感染経路をしっかり断ち切ってしまえば、感染の可能性を大きく下げることができます。
感染した猫の母乳を他の猫に与えないことや、野生動物を食べさせないなど、猫の食事を管理することが重要です。飼い主さんの知らないところで猫が何かを食べるようなことが無いように注意しましょう。また、室内で飼育することで、感染している動物との接触をなくすこともとても大切です。
人が外から持ち込んだ土などに猫回虫の卵が混じっていることも考えられるので、猫と触れ合う前には手洗いを徹底しましょう。
成猫はもちろん、子猫に関しては特に糞便検査や予防的な駆虫薬の使用も有効であるため、不安な方はかかりつけの獣医師に相談してください。
繁殖を考えている方は、一度動物病院で母猫が猫回虫に感染していないか検査をしてもらうなどして、感染を広げないように気を付けましょう。

猫の回虫症は他の病気と比べて症状が見分けにくく、なかなか気づきにくい病気です。どんなに気を付けて対策をしても、感染してしまうこともあるかもしれません。「最近、理由がわからない下痢が多い」「なんだか少し痩せてきた」「食べたものを吐いてしまうことが続いている」など、違和感を感じたら、かかりつけの獣医師に相談してください。また、嘔吐物や下痢の中に猫回虫の成虫が見られることもあるので、注意して見てみてください。感染が確認できなくても実は感染している、ということもありえるため、予防の意味もかねて寄生虫の駆除薬を使用することもおすすめです。

猫回虫症の治療法

現在は猫回虫症に効く駆虫薬が処方されています。妊娠中の猫や、子猫に対しては使用できない薬もあるため、獣医師と相談して処方してもらいましょう。

まとめ

猫回虫症は様々な経路で感染する可能性のある寄生虫ですが、対策を行えば感染を防ぐことができます。しっかりと対策をして猫回虫から守ってあげましょう!

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  • 執筆者

    PetVoiceBlog編集部

    PetVoice編集部は獣医学や動物行動学を学んだスタッフが犬・猫の健康に関する情報をお伝えします。