犬の心臓病と酸素室|僧帽弁閉鎖不全症などにおける自宅療養の選択肢

犬の心臓病と酸素室|僧帽弁閉鎖不全症などにおける自宅療養の選択肢

犬の心臓病はシニア期に多く見られる病気で、代表的なものに僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)拡張型心筋症(DCM)があります。これらの病気が進行すると呼吸困難や肺水腫を引き起こし、緊急対応が必要になることも少なくありません。その際に活用されるのが酸素室(酸素ハウス)です。本記事では、犬の心臓病における酸素室の役割、自宅での導入方法、注意点について詳しく解説します。

犬の心臓病と酸素室のイメージ

犬の心臓病と呼吸困難

僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)

  • 小型犬(キャバリア、チワワ等)に多い
  • 心筋の収縮力が低下し、全身に血液を十分送れなくなる
  • 倦怠感や食欲不振に加え、呼吸不安定も起こる

これらの症状が進行すると、犬は酸素不足になり、安静にしていても呼吸が苦しくなることがあります。

酸素室(酸素ハウス)の役割

酸素室とは、一定濃度の酸素を保った環境を作ることで、呼吸困難に陥った犬の負担を軽減する装置です。

期待できる効果

  • 酸素濃度を高めて呼吸を楽にする
  • 肺水腫などで苦しむ犬を安静に保つ
  • 緊急時の一次対応として病院搬送までの時間を稼ぐ

自宅に酸素室を導入する方法

1. 酸素濃縮器+ケージ型ハウス

  • 酸素濃縮器で空気から酸素を取り出し、ケージ内に送り込む方式
  • 酸素濃度を30〜40%程度に維持できる

2. レンタルサービスの活用

  • ペット用酸素室は動物病院や専門業者からレンタル可能
  • 月額1〜3万円程度が一般的
  • 緊急時にすぐ届けてくれる業者もある

3. 病院との連携

  • 酸素室はあくまで補助的な対症療法
  • 利尿剤や強心薬などの内科治療と併用することが基本

酸素室のモニターキャンペーン

酸素室のレンタルを行っているO2 petさんで現在、心臓病の犬を対象とした酸素室のモニターキャンペーンを実施しているようです。ぜひいこの機会にお試しください。

モニター特典:通常料金よりもお得な条件で酸素室をご利用いただけます。愛犬の心臓病管理にお悩みの飼い主さまは、この機会にぜひご検討ください。

酸素室を使う際の注意点

適切な酸素濃度の維持

酸素濃度は高すぎても危険(50%以上は長時間使用不可)

温度管理

室内温度が上がりやすいため、温度管理が必須

獣医師との連携

常に獣医師の指導を受けて使用する

重要:酸素室が必要な状態は重症度が高いため、並行して治療方針を再検討することが重要です。

酸素室が必要になるサイン

  • 安静時でも呼吸数が増加している(1分間に40回以上)
  • 咳が止まらず、舌が紫色になる(チアノーゼ)
  • 横になれず、首を伸ばして座ったまま呼吸している

これらが見られたらすぐに動物病院へ連絡し、必要に応じて酸素室を手配するべきです。

PetVoiceで「体調の見える化」

首輪型デバイス PetVoice は、安静時呼吸数・心拍数・推定体温などを自動計測。アプリに可視化・記録し、心臓病管理の意思決定を支援します。

早期の異変検知

呼吸数や心拍の乱れ把握。肺水腫の兆候や悪化のサインに素早く気づく助けに。

酸素室使用時の効果測定

酸素室使用前後の呼吸数・心拍数の変化を数値で確認。治療効果の判定に役立つ。

夜間・留守中の見守り

異変察知アラートで安心をサポート。

※医療判断は必ず獣医師の診断に基づいて行ってください。

よくある質問(FAQ)

酸素室はレンタルできますか?

はい、ペット用酸素室は動物病院や専門業者からレンタル可能です。月額1〜3万円程度で利用でき、緊急時に迅速に設置してくれる業者もあります。

酸素室を使っても改善しない場合は?

酸素室は対症療法のため、根本的な改善には内科治療(利尿剤、強心薬など)の見直しや、場合によっては手術の検討が必要です。すぐに獣医師にご相談ください。

PetVoiceのデータは酸素室の効果判定に役立ちますか?

呼吸数や心拍数の変化を客観的に記録できるため、酸素室使用前後の比較や治療効果の判定に有用な情報を提供できます。

まとめ

犬の心臓病、特に僧帽弁閉鎖不全症拡張型心筋症が進行すると、呼吸困難に陥ることがあります。その際に酸素室は命をつなぐ大切なサポート手段です。

ただし、酸素室はあくまで症状を一時的に緩和するものであり、根本治療ではありません。必ず獣医師の診断と治療を受けながら活用し、愛犬のQOL(生活の質)を維持していきましょう。

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  • 小型犬に多発
  • 弁が変性して血液が逆流し、肺に水が溜まる「肺水腫」を起こす
  • 咳や呼吸困難、失神などが見られる
  • 拡張型心筋症(DCM)

    • 執筆者

      PetVoiceBlog編集部

      PetVoice編集部は獣医学や動物行動学を学んだスタッフが犬・猫の健康に関する情報をお伝えします。